なにか目標へ向かって進もうとする時、問題はいつでも起こります。そんな時には「なぜ達成できない?」と原因を追究しがちです。これは正しい考え方ではあるのですが、これだけで進めると、結局「誰のせいだ?」という話になることが多くなります。そうなると責任を問われた人のやる気は下がるし、一生懸命やっても非難されるだけなら、チームの他の人のやる気も下がります。
そんな時には「どうやったら(みんなで)達成できる?」と考えてみましょう。つまり、達成できた時を思い描いて、そこに行きつくための方法を考えてみるのです。そうすることで「みんなで達成!」というプラスの方向へ意識が向くので、チームの一体感が強まり、達成に向けて動きやすくなります。
人には「思考のくせ」があります。「なぜできない?」という問いを立てると、マイナスのできごとの原因を追究していくことになるので、意識はマイナスに走り、最終的には個人を責める方向にもなりかねません。これを問題追求型思考と呼びます。この問いを、「どうしたらできる?」と変えることで、意識がプラスに向き、「その目的をチームで達成するために、ひとりひとりが何をすればいいか?」と思考が進んでいきます。この問いの立て方を成功追求型思考と呼びます。問い方を変えることによって、個人が責められることは少なくなり、チーム全体で目的を達成しようとするために一体感が強くなります。この考え方を企業内で共有することにより、社員と会社のベクトルを合わせていきます。
問題が起こった時に相談を受けると、つい原因を聞きたくなります。が、問題そのものがマイナスなので、その原因を追究していく限り、意識はマイナスに向いたままです。そんなときには「『今問題になっていることが起こらなかった時』、あるいは『うまく行った時』」を思い出してもらいます。つまり問題となっていることが「例外的にうまく行った時」を尋ねるのです。本人が思い出すまでに時間はかかりますが、誰にでもひとつやふたつの例外はあるもの。それが思い出せれば、その時の「うまく行った原因」を追究することによって、またうまく行くようになる可能性が高くなります。「一度できたことは二度できるはず」・・・です。
最後に会議を使って、ひとりひとりの力を「チームの力」に変えて結果を出していきます。会議では「どうしたらみんなで達成できるか」を一緒に考えます。全員が一体感を持ちつつ、建設的な意見が活発に出せる工夫が満載の会議法(SIEDミーティング)で行います。たとえば①チームに名前をつけて、気合ボタンを作る、②意見はいったん紙に書いてから発表する、③会議中は役職をはずして名前を呼びあう、などです。この他にもいくつかの重要なルールがあります。さらにこの会議を定期的に開くことによってPDCAサイクル<Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)>を回して、継続的に結果を出していきます。チーム仲間の持つ「チェック機能」と「協力機能」をフルに活用します。
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