人の悩みの多くは、実際に何が起こっているかよりもそれをその人がどう「解釈」しているかによって起こります。
たいていの場合は頭の中がパニックになると、瞬時にできごとを「解釈」し、強い不安や感情がわきおこって正しい判断ができなくなります。
きちんと考えることは大事ですが、頭がパニックになっている時には思考は感情にひきずられて否定的な「妄想」になっていきます。
そんな時にマインドフルネスは意識を「今」に戻して、起こっていることの「ありのまま」を見つめ、人を悩みや間違った判断から引き離します。
同じような経験をしていても「解釈のしかた」が人によって違うのは、その人の注意がどこに向いているかに寄ります。病気や解雇などの辛い経験をしても、ある人にとっては「思い出したくもない嫌な経験」となり、ある人にとっては「自分を成長させてくれた経験」となります。
何かショックなこと(刺激)があると、それはすぐに思考を引き起こし(できごとの解釈)、さらに不安などの強い感情(反応)へとつながります。注意が自動的に刺激から思考へとつながってしまうからです。瞑想はこの自動的なつながりの間にスペースを置くトレーニングです。
注意は本来アチコチに向くようにできていますが、この注意をとどめおくことで移動の前に一瞬のスペースを作ります。人はなにかあるとすぐに「考え」始めますが、その代わりに「体で感じる」練習をするわけです。すぐに思考に飛びつかないことで、「できごとをどう解釈するか」を選べるようにします。
集中瞑想は一か所に注意を集める瞑想法、オープン瞑想は頭に浮かぶすべてを受け止めてから流す瞑想法です。
ボディースキャンは体のパーツごとに注意を集中してずらしていく瞑想法、呼吸瞑想は呼吸に注意を集中する瞑想法です。
困難のとらえ方や困難とのかかわり方を改善し、心の安定と冷静な判断力、集中力を生み出すことが目標となります。また、他者の感情や視点に注意を向け、より深い共感を生み出すことで対人関係の向上が見込めます。
あなたは食事をする時にじっくり味わって食べていますか?人が幸せを感じことができるのは「今、この瞬間」しかありません。この瞬間に注意をとどめおく練習をすることで、幸せを敏感に感じ、味わうことができるようになります。
人は一日に60,000個の言葉を使って、無意識に考え事をしているというデータがあります。この自動的な思考が多くの悩みをつくります。マインドフルネスは「今」にとどまることで「未来への不安」や「過去への後悔」から解放してくれます。
マインドフルネスでは、ありのままの自分を受け入れ、「共感(コンパッション)」することを学びます。自分をいたわり尊重することで、自己肯定感が上がり、他人に対する許容度が高くなります。
自動的かつ無意識にできごとが思考に飛ばないようになるので、感情に振り回されにくくなります。感情が安定してくると、毎日が穏やかに過ぎ、人間関係もスムーズになります。
感情に振り回されなくなると、できごとを客観的に俯瞰して見ることができるようになります。瞬時に結論を出す必要がある時でも適切な判断ができるようになります。
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